「なんか違うんだよな」が消える。出力形式の修正は言葉ではなく完成見本+マークダウンで伝えるのがコツ。議事録・テスト項目で実演する実践テクニック。
生成AIの出力が思い通りにならない原因を「トーン/ボリューム/焦点範囲/形式」の4つに分解。最も言語化が難しい「形式・体裁」の修正は、言葉で説明せず完成見本を作って見せ、それを生成AIにマークダウン化させてプロンプトに組み込むのが王道。議事録とテスト項目の2つで実演し、Googleドキュメントの「マークダウンとしてコピー」機能で表をマークダウン化する裏技も紹介する実践回。
1 詳細トピック
キャッチアップすべき重要ポイント
- 出力が思い通りにならない原因は「トーン/ボリューム/焦点範囲/形式」の4つに分類できる
- トーン・ボリューム・焦点範囲は言葉で指示できるが、形式・体裁だけは言語化が極端に難しい
- 形式の修正は「完成見本を一旦作って見せる」のが唯一の解決策(フューショットの最強の使い方)
- 見本を生成AIに渡して「マークダウンで書き直して」と頼み、出てきたマークダウンをプロンプトに組み込む
- マークダウンは見出し・箇条書き・表などの構造をAIが正確に理解できる記法
- 議事録の社内フォーマットを見本→マークダウン化→プロンプト化、で出力が一発で揃う
- テスト項目チェックリストも同じ手順でテンプレ化でき、毎回同じ体裁で量産できる
- Googleドキュメントは右クリック「マークダウンとしてコピー」で表をそのままマークダウンに変換可能(要:ツール→設定でマークダウン有効化)
- 対話の時間をかけるほど完成度が上がる。AIは「楽できる」ではなく「育てて使う」もの
▼ 各トピックをクリックすると詳細が展開します
1. 「なんか違う」の正体は4つ:トーン・ボリューム・焦点範囲・形式+
生成AIの出力が思い通りにならないとき、その不満は4種類に分類できる。トーン(口調・文体)、ボリューム(長さ・分量)、焦点範囲(テーマがずれている)、形式(体裁・フォーマット)の4つである。
トーンとボリュームは「もっとビジネス調で」「もっと簡潔に」など普段の言葉で指示できるため、ほとんどの人が無意識にコントロールできている。焦点範囲も、前回動画で扱った「前提条件・依頼内容を明確にしたプロンプト」を使えばほぼ外れない。
手強いのは最後の「形式」。社内のこの形式にしてほしい、この体裁で出してほしい、というモヤモヤは言葉で説明すること自体が難しい。今回の動画はこの「形式」の伝え方に絞った内容。
- 不満の原因はトーン/ボリューム/焦点範囲/形式の4つに分解できる
- トーン・ボリュームは言葉で指示可能(普段から皆ができている)
- 焦点範囲は前提条件と依頼内容を明確にすればほぼ解消する
- 形式・体裁だけが言語化困難で、最後まで残る最大の課題
2. 議事録を例に:普通のプロンプトで起きる「微妙な違和感」+
Google MeetやスマホアプリでGenerate される文字起こしから議事録を作ってもらうのは今やよくある使い方。「添付の文字起こしから議事録を作成してください」と依頼するのが一般的で、気が利く人は「結論先で書いて」と順序指定を付け加えるくらい。
出てくる議事録は一見問題ない。しかしよく見ると「この項目はいらない」「ネクストアクションは表にしてほしい」など、自分の理想とのズレが残る。とはいえ「ここまでやってくれているから十分」と妥協しがちで、結果として生成AIを「6〜7割しか使えない」と評価してしまう。
ここから一歩進んで「自分の好きな体裁にする方法」を知っているかどうかで、AI活用の完成度が決定的に変わる。
- 「添付の文字起こしから議事録を作成」が一般的な依頼
- 結論先・順序指定くらいまではよくあるが、それでも形式に違和感が残りがち
- 妥協して終わってしまうと、AIを「6〜7割」と過小評価してしまう
- ここを超えるテクニックが必要
3. 解決策:完成見本を作ってマークダウンで翻訳させる+
形式の指示は言葉ではなく「例を示す」のが王道。フューショット(例示)の最強の使い所がまさにここで、自分の理想の完成図を1つ用意してAIに見せるのが核心。
手順は次の通り。まず自分の社内フォーマット、または理想の完成形を1つ作る(議題→サマリー→決定事項→アクションアイテム表など)。次にそれをGeminiに添付し「このフォーマットで作りたいから、生成AIが理解しやすいようにマークダウンで書き直して」と依頼する。
マークダウンとは見出し(#)、箇条書き(-)、表(|)、番号付きリスト(1.)などを記号で表現する記法で、AIが構造を正確に把握できる形式。人間が手で書くと面倒だが、AIに翻訳させればワンクリック。
出てきたマークダウンを次回以降のプロンプトに「以下のマークダウン形式で生成してください」と組み込めば、同じ体裁で何度でも出力できるようになる。
- 形式は言葉で説明せず完成見本を示す(フューショットの本領)
- 見本→Geminiにマークダウン化を依頼→出力をプロンプトに組み込む
- マークダウンはAIが構造を理解しやすい記法(見出し・箇条書き・表など)
- 人間が書くと面倒だが、AIに翻訳させればすぐ作れる
- 出来上がったマークダウンはGem等に登録しておけば使い回せる
4. 実演:議事録フォーマットの再現+
実際に動画内で、議題・サマリー・決定事項・アクションアイテム(担当者と期限付きの表)という構成の議事録フォーマットを見本として用意。これをGeminiに渡し、マークダウン化を依頼。
出てきたマークダウンを「添付の文字起こしを、以下のようなマークダウン形式で生成してください」というプロンプトに組み込んで再実行すると、議題・サマリー・決定事項が見出しで揃い、アクションアイテムは担当者・期限付きの表になって、見本にほぼ忠実な議事録が一発で出てきた。
この結果に満足したら、このプロンプトをGemに登録しておけば、以後は文字起こしを投げるだけで同じ体裁の議事録が量産できる。マークダウンで指示している点が再現性のカギ。
- 見本:議題→サマリー→決定事項→アクションアイテム表(担当者・期限付き)
- Geminiにマークダウン化させ、その出力をプロンプトに組み込む
- 再実行すると見本にほぼ忠実な議事録が一発で出る
- プロンプトはGemに登録して使い回し、毎回同じ品質を再現
5. 応用:テスト項目チェックリストにも同じ手順+
議事録だけでなく、業務で繰り返し使う表形式のフォーマット全般に同じ手順が使える。動画ではテスト項目チェックリスト(ID/項目/手順/動作)を例として紹介。
まず自分が理想とするチェックリストを1行分でいいので手で作り、スクショを撮ってアップロード。「我が社では添付の形式で実装テストを行っているので、今後このフォーマットでチェックリストを作りたい。マークダウンを作ってください」と依頼する流れ。
1回しか使わないものなら見本を作る手間は不要だが、毎回同じ体裁で量産したい業務(テスト項目、報告書、議事録、提案書サマリーなど)には見本作成が圧倒的に効く。「1行目はこう、1列目はこう」と言葉で説明するより、見せて作って覚えさせる方が遥かに早い。
- テスト項目(ID/項目/手順/動作)の見本を1行作ってスクショ
- 「このフォーマットでチェックリストを作りたい」と依頼してマークダウン化
- 1回限りの作業なら不要、繰り返す業務なら見本作成のROIが高い
- 言葉で説明するより、見本を見せて教え込む方が早い
6. Googleドキュメントの「マークダウンとしてコピー」を活用+
見本をマークダウン化する別ルートとして、Googleドキュメントの隠れ機能「マークダウンとしてコピー」が便利。
有効化手順:Googleドキュメント上部の「ツール」→「設定」を開き、「マークダウン」のチェックを有効にしてOK。念のためブラウザをリロード。これでドキュメント上の文字や表を選択して右クリックすると「マークダウンとしてコピー」が表示される。
表を選択してこの機能を使うと、表構造のままマークダウン形式(|区切り)でクリップボードに入る。あとは生成AIへのプロンプトにCtrl+Vで貼り付けるだけ。スクショやCSVダウンロードより手早く、Googleドキュメント利用者にとっては最短ルート。
逆にマークダウン形式のテキストを通常の書式で再現したい場合の機能でもあるので、双方向に使える便利機能として覚えておきたい。
- ツール→設定でマークダウンを有効化(デフォルトはオフ)
- 右クリック「マークダウンとしてコピー」で表ごと変換可能
- クリップボード経由でプロンプトに貼り付けるだけ
- 双方向(マークダウン→書式付き)の変換にも使える
7. まとめ:AIは「育てて使う」もの、対話時間が完成度を決める+
出力の不満4要素(トーン/ボリューム/焦点範囲/形式)のうち、最も言語化が難しい「形式」は、言葉で説明せず完成見本+マークダウンで伝えるのが最短ルート。
動画の締めくくりでは「AIで楽できる」のではなく「作りきった後に思いっきり楽できる」という表現を紹介。最初の対話に時間をかけて教え込む工程をはしょると、いつまで経っても出力が安定せず、楽にならない。部下の育成と同じで、AIも丁寧に育てるほど後の作業が速く正確になる。
初学者でもトーンやボリュームは自分の言葉でコントロールできる。形式という最後の壁を「見本+マークダウン」で乗り越えられれば、AI活用の完成度が一段上がる。
- 形式の修正は「言葉で説明せず例を示す」が原則
- 完成見本→マークダウン化→プロンプト組み込みの3ステップ
- AIは育てて使うもの、最初の対話時間が後の作業効率を決める
- 初学者もトーン・ボリュームは普段の言葉でコントロール可能
2 視聴者の学び
- 出力にモヤッとしたら、まず原因を4要素(トーン/ボリューム/焦点範囲/形式)に切り分けて当たりをつける
- 形式・体裁の不満は言葉で説明せず、自分の理想の完成見本を1つ作ってAIに見せる
- 完成見本は生成AIにマークダウン化させ、それを次回以降のプロンプトのテンプレートとして再利用する
- 繰り返し使うフォーマット(議事録・テスト項目・報告書など)はGemに登録しておけば毎回同じ品質で出る
- Googleドキュメント利用者は「マークダウンとしてコピー」を有効化しておくと、表→マークダウン変換が右クリックで完結する
- AI活用は最初の対話で時間をかけて教え込むほど後で楽になる。部下の育成と同じ感覚で臨む